本と詩と、どうでもいいこと。

読んだ詩の感想などを投稿します。

おまめんの思考メモ

今日読んだ詩:金子みすゞ「大漁」

出典:JULA出版局「わたしと小鳥とすずと」p.16

 

●心に残ったところ

海の中では

何万の

いわしのとむらい

するだろう。

 

●どうして心に残ったのか

とても易しいことばで書いてあるけど、

するどい社会批判のようにも感じた。

最後の解説では、やさしい詩人の目…と書いてあったけど

私としては、一線を引いた、すこし冷めたような詩人の目にも感じた。

(それが悪いという意味ではなく)

 

●自分の詩作へのヒント

詩の前半はリズムが良く、後半になると静かさを感じる。

この違いが地上と水面を分かつようで良い。

こういう場面の使い分けは参考にしたい。

 

●ひとこと

とても易しい言葉で、短い詩だが味わい深い。

皆が何か一つのことに大騒ぎで喜んでいるとき、

少し冷めた目で別の角度から見るのがとても詩人らしくて良い。

夏祭りの後のゴミをみて、

悲しくなるような。

今日読んだ詩:茨木のり子「言いたくない言葉」

出典:岩波文庫「茨木のり子詩集」p.142

 

●心に残ったところ

心の底に 強い圧力をかけて

蔵ってある言葉

 

●どうして心に残ったのか

心の底に圧力をかけてしまってある、ってどういうことだろう、

というフックになった。

読んでいくと、すぐに、ああ!と納得した。

強い圧力をかけて言葉をしまう。とても素敵な発想だと感じた。

 

●自分の詩作へのヒント

その人の気圧の中でしか生きられない言葉、っていいなあ。

誰の目にもふれずに燃え尽きろ、というのも。

一つのことを、色々なバリエーションで言葉にするのが

茨木のり子って本当にうまい。

そして言葉がとても強く、芯がある。

こういう強い言葉を使ってみたい。

強い言葉なのに、優しい詩。

 

●ひとこと

人にはうまく伝えられないのに、

自分の中では熾烈に燃える言葉ってあるよな、と思った。

言葉にすると陳腐だったり、倫理的に言うべきじゃない、ということだったり。

私の中にもそういう言葉はあります。

誰の目にも触れさせず、燃えさせて、それによって自分を生かしめる、

そういう優しさをもちたい。

今日読んだ詩:金子光晴「くらげの唄」

出典:集英社文庫「女たちへのいたみうた 金子光晴詩集」p.136

 

●心に残ったところ

心なんて汚らしいものは

あるもんかい。いまごろまで。

 

●どうして心に残ったのか

語り手であるくらげからみると、

心はきたならしいものである、ということ。

くらげには心がないようにみえるため、妙な説得力がある。

 

そして、この時に、「心なんてあるもんかい」と言っているけど、

その後の連で「ゆられているのは、ほんとうはからだを失くしたこころだけなんだ。」と逆のことを言っている。

さらにその後、「苦しさの疲れの影」に変化する。

ゆられているのは、からっぽなのか、こころなのか、はたまた疲れなのか。

ただわかることは、何かを失った殻である、ということ。

 

●自分の詩作へのヒント

こころをつつんでいたうすいオブラート。

とても素敵な表現だと思った。

前後に矛盾しているような表現がある。

必ずしも論理一貫性がなくても良いのだと感じる。

(それを取り入れるのは難しいことだけど)

 

●ひとこと

やっぱり金子光晴はすごい。

こういう易しい言葉の詩でも、すべての言葉に必然性を感じる。

 

この詩を読んでから、数分後に思った、

「くらげって自分のことか」

毎日の生活に疲れて、考えることをやめて、色々なことをあきらめて、

まるで空っぽのように生きているワーママ。

あ、自分だった。