本と詩と,どうでもいいこと。

たいていどうでもいいことばっかりです。

おまめんの思考メモ

「人生フルーツ」と,つばた夫妻の本

やっと「人生フルーツ」観ました。

life-is-fruity.com

といっても,地上波で放映していたものを録画して見たのですが。。。

本当はこの映画が話題になっていた2017年,名古屋シネマテークに観に行きたいと思っていたけど行けず・・・

そのうちにシアター系映画館以外でも上映するようになったのにまた行けず・・・

行けずというか行く時間を作れなかっただけなのだが(;・∀・)

 

今回,地上波で放映することになったのでwktkしながら録画し観ました!

 

簡単に映画について説明すると,

愛知県春日井市に住むとある高齢夫婦の生活を追ったドキュメンタリー。

夫は元建築家の津端修一さん,妻は半田出身の手仕事が大好きな英子さん。

二人の暮らしを淡々と追っていく,ただそれだけ。

なんですが,これが心が豊か~になる生活なんだな。。。

 

高蔵寺には「高蔵寺ニュータウン」と呼ばれる大規模な団地があって,私もよく近くまで行くことがあるけどとにかく無機質ですんごいの。

同じような集合住宅がいくつもいくつも並び立っていて,自分がここに住んでいたら自分の家がどこかわからなくなりそうっていつも思う。

家の中にはそれぞれの暮らしがあって,中をのぞいてみたらきっと画一的なんてことはないんだろうけど,外からみたら全く画一的で,高度経済成長とか,日本の景気が良かったころを彷彿とさせる。

 

修一さんはこの団地造成計画にも関わっていたけれど,当初作りたかったのはこういう団地ではなかったそうだ。

自然との共生をめざしたニュータウン。でも,時代はそれを許さなかったという。

 

その後,自らこのニュータウンに入居した時期もあったみたいだけど,人生も後半に差し掛かった頃,高蔵寺ニュータウン内に広い土地を持って,自分たちの手で長い時間をかけて開拓し,平屋を建て,キッチンガーデンを作り,半自給自足生活を始めたという。

果樹を植え,作物を育て,季節に応じて暮らす・・・淡々と,夫妻の暮らしの哲学のようなものが彼らの生活を通して語られていく。

 

いいなあ~、、、あんな生活してえ~~~と思う反面,不便だろーなーとか寒いだろーなーとかも思う。

現代人(?)は土地のような資本もないし夫の給料だけじゃあやってけないし,忙しすぎる。。。

ただ,良いものを食べるとか,信頼できる店から買うとか,そういう生活の理念は憧れる…。誰が作ったかわからないものをいつも適当な店で買っているから。

 

津端夫妻の生活に興味が湧いて,もう少し知りたいと思ったのでこちらの本も読んだよ。

ききがたり ときをためる暮らし (文春文庫)

ききがたり ときをためる暮らし (文春文庫)

 

 これを読むとかなり二人の生活がよくわかる。映画と重複している部分ももちろんあるんだけど,映画では十分に語られなかった(といっても映像の力は絶大で,言葉で語らなくても姿で十分語っているけれど)部分も詳しく語られている。

ハードカバー(ソフトカバーかも?)版もあるけど,お手軽な文庫版で入手。でも,ちゃんとカラー写真も掲載されている。

 

作物を育てることや,食事についての話題が多いので,英子さんが語っている部分が多いかなあという印象。

英子さんは1928年の生まれなので,ジェンダーに関しては現代にはそぐわないような価値観の部分もあるように思うけど,それは時代背景上,しょうがない気がする。

 

英子さんや修一さんは,次の世代に伝えていくこと(例えば「おばあちゃんの味」を孫に伝えたり)をとても意識しているようで,私ももうすぐ母になるんだけど,何を伝えていけるかなあと考える。

まだそんなこと考えるには若すぎるかもしれんけど…。

 

ちなみに,「人生フルーツ」,夫婦で観たんだけど夫婦で観るにはとてもいい映画だと思った。これはぜひ劇場にお金を落とすべきだった・・・と反省。

これから先,「ときをためて」私たちの理想の庭が作れるかなあ~。晩年は庭で野菜作りをするために,高かったけど注文住宅を建てたのである(マジで)。

 

津端さんたちが今の生活をつくり始めたのは人生も後半に差し掛かった頃。

これから人生100年時代と言われるし(そんなに長生きしたくないけど…),今,結婚して家建てて子ども授かって,人生の先がほとんど見えてしまった…!と嘆かず,前向きに生きていきたい気持ちになりました。