本と詩と,どうでもいいこと。

たいていどうでもいいことばっかりです。

おまめんの思考メモ

ゲゲゲの人生展と「わたしの日々」など

 松坂屋美術館で開催中の「追悼水木しげる ゲゲゲの人生展」に行ってきました。

mizuki-ten.jp

残りの巡回は沖縄と石見!名古屋はだいぶ最後の方みたいw

開催を待っておりました。

本当は今日観るつもりはなくて,近くまで来たから物販を覗いていこうと思っていたらそのまま展示に吸い込まれてしまいました。。。

 

水木しげる先生の作品は戦記が魅力的

水木しげる先生の作品に最初に触れたのは,(アニメシリーズの鬼太郎を除くと)何だったのか記憶があいまいなんだけど、たしか昭和史だったはず。中学生の頃。

 

コミック昭和史 (第1巻) 関東大震災~満州事変

コミック昭和史 (第1巻) 関東大震災~満州事変

 

 

先述の通り,戦争に興味があったのでこのマンガは一心不乱に読みました。(阿部定事件などもこのマンガで知る。)

絵が細密で美しく,かつご自身の体験も織り込まれていて面白かった。

 

ここでもラバウルのことは語られていたと思うんだけど, 以下の3作品なども読んだことを記憶しております。

総員玉砕せよ は主人公はご本人ではなく架空の人物ですが,鬼気迫る名作です。

総員玉砕せよ! (講談社文庫)

総員玉砕せよ! (講談社文庫)

 
水木しげるのラバウル戦記

水木しげるのラバウル戦記

 
水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫)

水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫)

 

水木しげる先生が現地人と交流するエピソードがめちゃくちゃ好き。

現地人と言語の壁を乗り越えてコミュニケーションをとることができるのもすごいし,どんな場面でも絶望しない(実際はしていたのかもしれないけど。)ところもすごい。

学校でも軍隊でも馬鹿にされている若かりし頃の水木先生だけど,本当の「生きる力」がある人ってこうひとなんじゃなかろうかと思う。

でも,単に楽観的なわけではなくて,戦後もずっと戦争で亡くなっていった戦友たちのことを思い続けている。

 

このほか,ヒトラーの伝記や短編集,河童の三平などもいろいろ読んだはず。

 

●若い頃の絵が豊富に見られる展示

話は戻りますが巡回展。

原画が中心なんですが,若いころの絵が結構見られたのは面白かったです。

マンガ・エッセイなど今刊行されて手に取れるもの以外の作品はほとんど見たことがなかったので。

手紙や私物がちょっと少なかった感じもするけど。。。

 

数年前「ゲゲゲの女房」をやっていたから結構人が多かったし,「ドラマでやってたよね~」なんて声もあったり。

 

●展示と言えば物販です

 まあまあ色々買っちゃったよね。。。

当然だけど戦記物のグッズはポストカードくらいしかないので鬼太郎グッズを少々…

私の前に並んでいた女性は30000円以上買ってたのでびっくらこいた。

(でも,転売目的って感じではなかった。なぜなら鬼太郎Tシャツ来て目玉のおやじバッグ下げてたからw)

 

そしてこんなエッセイコミックも買っちゃいました。 

 この本はざっくりだけど生い立ちや戦争の話もあるし,若いころの絵画なども収められていてなかなかよろしいです。

そして,これ,驚くべきことは,2014年1月~15年5月まで連載されてたエッセイなのよ。

水木先生が亡くなったの,2015年11月なのよ。

亡くなる数か月前までの連載だし,92歳でこのマンガを描いているっていうね!

フルカラーだし,絵の細密さもまったく衰えてないし。。(アシスタントさんがどこまで描きこんでるのかわからないけど…)

いや本当にすごいっす。「なまけ者になりなさい」っていう名言残してるけどこんな年齢までバリバリの現役っていうね。

 

死ぬまでできる仕事がある人ってなかなかいないと思うのであります。

こんな年まで仕事したくないって声もあるかもしれないけど こんな年まで仕事ができる技術があること,社会からの要請があること。すごいことだと思います。本当に。

 

 

最後に余談。

そういえば,最近読んでた池上遼一(クライイングフリーマン…)が水木先生のアシスタントだったことをこの展示で知って,少し驚いた。

でもwikipediaによると水木先生よりもつげ義春先生の方をリスペクトしていたとか…(笑)