ガンディー 平和を紡ぐ人
やっとブログ書く時間できました。
先月から引っ越し~体調不良~仕事多忙などでばたばたしており
とりあえず引っ越しがひと段落したところです。
先日,ガンディーに関する本を読みました。
今年の1月に出たばっかりの新しい本です。
●誰もが知っているけれど・・・
ガンディーと言えば,もはや誰でも知ってるよね。
子どものころに偉人伝みたいなやつ大抵読んでるし。
私も小学館の学習雑誌「小学●年生」の付録についていたガンディーに関するマンガなんかを読んだ記憶があります。
「塩の行進」「非暴力・不服従」くらいはキーワードとして知っている。
けど,それからガンディーに関する知識はアップデートされず,何がどうすごいのかっていうのはいまいちわからないまま大人になっていたようでした。
●熱い評伝
で,今回のこの本は仕事で勉強しないといけなかったので読んだのですがかなり熱い評伝でしたね。
ガンディーと言えば「マハートマ・ガンディー」で知られるけど,この名前は本名ではなく,「マハートマ」=「偉大なる魂」で,ガンディーへの敬愛を込めて呼ばれている名前。
本名は,モーハンダース・カラムチャンド・ガンディー。
この本は,少年モーハンダースがどのようにしてマハートマに至ったかを描く。
著者のガンディーへの熱き想いが伝わってくる良著であった。
●偉人は子どもの頃から偉人ではない
たまに神童って人もいるけど。(ベルクソンとか全然悪いエピソード出てこない。。。)
モーハンダースについては,子どもの頃から偉人であったわけではなく,血気盛んな若者で,問題も結構起こしていた。
ガンディー=とにかく完璧な偉人 っていうこのイメージを崩してくれた点はこの本の大きな魅力だと思う。
若いころにやらかしたこと,喧嘩っぱやいからなかなか仕事にありつけなかったことなど,親しみがもてるエピソードもあり,人間としてのモーハンダースの魅力が詰まっていた。
色々と問題もあったモーハンダースだけど,結局は人間が好きで,カリスマ性があったことが,彼をマハートマにしたのだと感じた。
●非暴力不服従の何がすごいか
っていうのは子どものころはまったくわからなかった。
けど,今この本を読んだら,「あれ…ガンディーのしたことって…ほんまにすごいし今必要なことやんけ…」ってなりましたわ。
暴力を使わないで,理不尽な権利侵害に対して不服従で応える。
彼らの場合,インドは当時イギリスの植民地だったので,イギリス人から不当に搾取されていたりした。そこで集団で法律を破ったりする。
そうすると当然逮捕者がでるけれど,逮捕者が多すぎると収容不可能になる。
強制労働させようにも従わない・・・途方に暮れる。やむなく相手の要求を呑む,といった具合。これはあくまで一例だけど。
もちろん,すべての非暴力不服従運動がうまくいくとは限らず,一度ガンディーも失敗してしまったことがある。
非暴力不服従の精神を十分理解していない一部の人が暴動をおこし,多くの人が犠牲になった。
被支配者が暴動を起こせば,当然支配者は暴力によって応え,被支配者に多くの犠牲が出てしまう。
彼はそれをわかっていたので,非暴力不服従を唯一の手段としてイギリス支配に対抗しようとしたのであった。
●エリートではない下からの指導者
彼はマハートマとして様々な実績を積んだが,晩年,中には誤解する人や,ガンディーのやり方に納得できない人が出てくる。
それが最終的にヒンドゥー過激派による暗殺につながっていった。
でも,彼は本当に民衆に愛された指導者だったという。
働きもので質素な生活を好み,民衆とともに働き,女性を尊敬し手織物を学び,誰の話にも真剣に耳を傾ける。
…こういう指導者,近代の日本にいただろうか。。。
政治家は世襲,すっかりエリート政治になってる日本。
でも,「めんどくさいから勝手にやってくれていいよ」,っていう風潮さえあるから,むしろ私たちがそれをのぞみ,今の社会が作られてきたと言えるかもしれん。
さらにガンディーは,イギリス人支配への抵抗の中で,
ヒンドゥー教徒とイスラームの融和や,不可触民への差別撤廃(カースト制度撤廃)なども唱え,様々な人を巻き込んでいくのだ。。。
彼が目指した「プールナ・スワラージ」(完全独立)は単なる独立ではなく,
人がみな自分の主人となり,わがままな欲望を抑え,互いを慈しみながら共同で暮らす,穏やかで平和な社会を実現すること(p.138)
なのであった。
●ガンディーについてのアップデートを
ガンディーは本当に偉人であった。ここに紹介しきれない。
ガンディーについて小学生の時の知識のまま,という人はぜひ知識のアップデートをおすすめする。
果たして日本に武力や,核は必要なのか?
武力には武力でもって応えなければ,国は守れないのか?
そういうことを考えるきっかけにも良いと思います。
この後,マーティン・ルーサー・キングについても読んだのでその感想もまた。